☆インプラント治療におけるアバットメントと炎症のリスクについて
こんにちは。当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、インプラント治療における「アバットメント」について詳しく解説しながら、
インプラント治療で起こりうる「炎症」のリスクや予防方法についてお話しします。
インプラント治療は非常に効果的な治療法ですが、
正しい知識を持ってケアをすることが大切です。
☆インプラント治療の基本構造
インプラント治療は、失われた歯の機能と見た目を回復するために、
人工歯根を顎の骨に埋め込む治療法です。
この人工歯根の上に人工歯を固定することで、歯の機能を取り戻します。
インプラント治療は、以下の3つの主な部分で構成されています。
チタンなどの生体適合性の高い素材が用いられます。
・アバットメント:インプラント体と上部構造(人工歯)を連結する部品です。
インプラント体の上に取り付けられ、人工歯を支える重要な役割を果たします。
・上部構造(人工歯):患者さまが実際に見る部分で、
食事や発音の際に使用される部分です。
一般的にはセラミックやジルコニアなどの材質でできています。
今回は、この中でも特に重要な役割を担う「アバットメント」について
詳しくご案内をしたいと思います。
☆アバットメントとは?
アバットメントは、インプラント体と人工歯を連結するための中間部品であり、
インプラントの成功と長期的な安定性に大きく影響を与えます。
アバットメントにはいくつかの重要な役割があります。
1. インプラント体と人工歯の接続
アバットメントは、インプラント体の上部に取り付けられ、
その上に人工歯を接続するための構造体です。
この接続部分は、噛む力や歯への圧力をしっかりと支え、
機能性を維持するために不可欠です。
2. 審美性の向上
アバットメントの種類や形状によって、人工歯の角度や見た目が調整されます。
特に前歯のインプラントでは、審美性が重要視されるため、
アバットメントの選択と設置が非常に重要です。
審美性を考慮したアバットメントを使用することで、自然な見た目が得られます。
3. 健康な歯茎との調和
アバットメントは、歯茎との接触部分に設置されるため、
健康な歯茎と調和する必要があります。
適切なアバットメントの選択と装着により、歯茎の健康を保ちやすくなります。
☆アバットメントと炎症のリスク
アバットメントがインプラント体と人工歯を連結する
中間部品であることからもわかるように、
アバットメント周辺の口腔ケアは非常に重要です。
アバットメントと歯茎の接触部分は、細菌がたまりやすく、
炎症のリスクが高まる可能性があります。
このような炎症を放置すると、「インプラント周囲炎」へと進行し、
インプラント自体が脱落するリスクも高まります。
インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の組織が細菌感染を起こして炎症が生じる病状です。
進行すると、インプラント体を支える顎骨が溶け出し、
最終的にインプラントが不安定になってしまいます。
インプラント周囲炎は、特にアバットメント周辺の
清掃が不十分な場合に発生しやすく、早期発見と適切な治療が重要です。
炎症のリスクを高める要因
・口腔ケアの不十分さ:アバットメント周辺には細菌がたまりやすく、適切なブラッシングやデンタルフロスの使用が欠かせません。
・喫煙:喫煙は、インプラント治療の成功率を下げ、周囲炎症のリスクを高める要因です。
・糖尿病:血糖値が高いと細菌感染に対する抵抗力が弱まり、
インプラント周囲炎のリスクが高まります。
・歯ぎしりやくいしばり:強い噛む力がインプラントにかかると、
周囲の組織に負担がかかり、炎症を引き起こすリスクが高まります。
☆炎症を予防するためのポイント
インプラント治療の成功と長期的な健康維持には、アバットメント周辺のケアが重要です。
以下に、炎症を予防するための具体的なポイントを挙げます。
1. 適切なブラッシング
インプラント治療後は、インプラント専用のブラシやデンタルフロス、
あるいは歯間ブラシを使用し、アバットメント周辺の清掃を徹底しましょう。
通常の歯ブラシでは届きにくい部分があるため、
専門の器具を使って毎日ケアすることが大切です。
2. 定期的な歯科検診
インプラント治療後は、3ヶ月に1度の頻度で歯科検診を受けることをお勧めします。
歯科医がインプラント周囲の状態を確認し、炎症の兆候がないかをチェックします。
また、プロフェッショナルクリーニングで、
普段のケアでは取り切れないプラークや歯石を除去することも重要です。
3. 禁煙と生活習慣の改善
インプラント治療を受ける方は、禁煙が強く推奨されます。
タバコに含まれる有害物質は、血流を悪化させ、
インプラント周囲の組織の回復を妨げるため、炎症のリスクが増加します。
禁煙に加え、規則正しい生活と健康な食事を心がけることで、
免疫力を高めることも炎症予防につながります。
4. 適切な咬み合わせの調整
歯ぎしりやくいしばりがある方は、インプラントに過剰な力がかかり、
炎症を引き起こすリスクが高まります。
必要に応じて、ナイトガード(マウスピース)を装着するなど、
咬み合わせの調整を行うことが推奨されます。
☆まとめ
インプラント治療では、アバットメントが重要な役割を果たし、
適切なケアを怠ると炎症のリスクが高まる可能性があります。
アバットメント周辺の清掃を徹底し、定期的な歯科検診を受けることで、
インプラントの長期的な健康を保つことができます。
インプラント治療を受けられた方や検討されている方は、
炎症のリスクとその予防策についてしっかりと理解し、
インプラントを長く健康に保つためのケアを行いましょう。
当院では、インプラント治療の専門医が患者さまのニーズに合わせた
最適な治療を提供しております。
インプラント治療についてのご質問やご相談があれば、
ぜひお気軽にお問い合わせください。インプラント無料相談受付中♪
医療法人社団AADC
あざみ野青葉デンタルクリニック
歯科医師
理事長 鈴木 拓也
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